こんにちは。マスト数学科講師の横谷です。
前回に引き続き今回は, 東北大学の理系数学入試について, 最新年度の出題状況・対策のポイントについて書きたいと思います。
出題範囲・分野構成
全体として「出題される分野に特別な偏りはない」という分析があります。つまり, 理系数学として想定されている範囲(数Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ, 数A・B・C, ベクトル・図形など)から幅広く出題されています。
2025年度の理系数学大問の構成として, 以下の通りです。
1. 確率(反復試行)
2. 数列(連立漸化式)
3. 微分(4次関数が極大値を持つ条件)
4. 微分・積分(数Ⅲ), 数列の極限
5. 空間ベクトル・図形と方程式(空間内直線・球・平面交点, 軌跡) 6. 三角関数・図形と計量(正五角形の重なり部分の周の最小値)
上記から重要な点として,
「典型的な分野(数列, 微分・積分ベクトル・図形, 確率など)」が確実に出題されており,かつ, その分野における教科書や問題集に載っている有名な問題の解法がしっかり身についていることが前提のうえで, その解法だけでは解けないようなプラスアルファの思考を要する形での出題がなされています。
難易度・出題傾向
・難易度は「標準~やや難しい」レベル。特に「考えさせる設問・記述・論証を伴う設問」が含まれています。
・計算量・思考量がやや重くなっています。例として, 数列の一般項を求める設問, 接する2曲線と軸で囲まれた領域の面積とその極限を求める設問, 空間内の直線・平面・球の交点・軌跡に関する証明などが挙げられます。
・出題意図として, 同大学が「思考力・判断力・表現力」を重視しており, 単なる公式の適用だけでは通用しないよう設計している旨が明示されています。
・配点・時間の観点では, 理系数学では6題構成(大問1~6)・試験時間150
対策ポイント
・幅広い分野に手を付けておく:出題分野に偏りがないため,確率, 数列・漸化式、微分・積分、ベクトル・図形, 三角関数・計量など全体的に準備が必要です。
・典型問題+変化問題の両方演習:典型的な設定・公式適用問題を確実に解けるようにしておいたうえで,「場合分け」「計算が重い」「証明・説明を要する」設問にも対応できるようにしておきましょう。
・記述・論証力の強化:出題意図に「表現力・考察力」が含まれているため,単に答えだけ出すのではなく,「なぜその手順か」「理由・条件」の整理・記述ができるよう演習しておくことが大切です。
・時間配分・計算スピードの準備:計算量がやや多め・思考を要する設問があるため,時間内に全問丁寧に取り組めるよう,過去問や類題で練習を積むこと。
・過去問分析・類題反復:2025年度の出題で見られた分野・形式を自分で振り返り,同じようなテーマ(「数列・漸化式」「空間ベクトル軌跡」「三角関数と図形」など)を重点的に演習すると効果的です。
・答案の整え方を意識:証明問題・図形・軌跡問題などでは「図・説明・記述」のクオリティが得点差になります。答案構成・言葉遣い・論理の流れを意識して練習しましょう。
まとめ
2025年度の東北大学理系数学入試では, 出題範囲が広く, 典型分野が確実に出題されつつも「一ひねり/計算量重め/考察を要する設問」が散りばめられています。基礎を固めたうえで,発展・応用問題・記述・論証対応力を養うことが合格の鍵となりそうです。
マストでは, こうした最新の入試や,これまでの傾向などもしっかり分析したうえで授業をしていきます。
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