東大国語の第1問には毎年注目しています。なぜなら第1問は、文系の生徒も理系の生徒も、同じ文章、同じ設問を解答する共通問題だからです。
ここに東大の思想が垣間見えます。学問に文系も理系もない。日本語の適切な運用こそすべての学問の礎である、という思想が。それならば、どんな文章・問題を受験生に読み解かせるのか、毎年興味深く拝見しています。
今年度の問題で興味深かった箇所は、以下です。
精神分析において、寝椅子に横たわった患者の自我は、本来であれば水平的な他者(=隣人)であるはずの分析家を、垂直方向における「上」に存在する他者(=超自我)として固定することによってはじめて、自らが根底的に変化する可能性を得るのである。
この太字の内容について、理由説明を求める問題が出題されました。解答の根拠となる箇所は以下です。
精神分析の治療原理は、患者が、分析家を厳しい超自我(これは患者の幼少期における養育者の権威的な像に由来するとされる)として体験することに始まり、超自我と同一視された分析家が患者に対して解釈を行うことによって、患者が徐々に過去に形作られた超自我のイメージをより抑圧的でないものへ更新することによって終わると考えられている。
理由が求められていますから、太字「によって」に注目し、ひとまず次のような解答が導かれます。
超自我と同一視される分析家が患者に対して解釈を行うことで、抑圧的であった超自我へのイメージが徐々に非抑圧的なものへと緩和されるから。
これが解答の骨格になります。ただ、これはあくまで「によって」に注目した記号の操作にすぎません。東大が求めるのは、記号操作の先にある論理の補完です。
なぜ、超自我(=「上」に存在する他者)の解釈によって超自我へのイメージが緩和されると、自らが根底的に変化するのでしょうか?この箇所について、論理の飛躍を補完する必要があります。
超自我については、患者の幼少期における厳しくも権威的な像(=養育者)とあります。そうした養育者の像として体験される存在による解釈だからこそ、イメージの緩和だけでなく、自らの変化も促されるのです。
超自我であっても、単に「上」の存在ではダメってことです。養育者の像として体験される存在からの解釈だからこそ、自己は変われるということですね。
この論理の補完こそ、東大国語が求める力です。表面的な記号操作に終わらず、論理を補完し表現する力を鍛えていきましょう!
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